冷却フェルミオン原子気体

粒子数インバランスフェルミオン気体 : 1次元系での凝縮状態

2つの超微細状態にある異なる個数の原子を、葉巻型トラップ中に捕獲した系で超流動が実現されている。 原子気体は1次元的な閉じ込めも可能であり、2成分に密度差があるとフェルミ運動量がずれるので、運動量の和が0でない2原子がペアを組むFFLO的な超流動の可能性がある。 1次元系での凝縮状態と原子分布を予測することを目的に研究を行った。

1次元の短距離相互作用するフェルミオン系では、空間の離散化が有効である。引力ハバード模型を用い、密度行列繰り込み群(DMRG)により、 調和振動子ポテンシャルのある場合の基底状態での各成分の密度分布と、2体ペア相関関数を計算した。2体波動関数に集積したペアの個数を与える、 2体密度行列(2BDM)の固有値分布も求めた。

1次元系中で引力相互作用する2種の原子について、ペア相関関数と密度差分布はそれぞれFFLO状態で期待される周期で空間的に振動することがわかった。 偏極度が0.2程度を超えると、中央に凝縮体、両端に多数成分のみという相分離が必ず起きることがわかった。さらに、2BDMの固有値分布から、 個数比が10:1程度まで大きくなっても、少数成分の原子のほとんどが凝縮に寄与していることがわかった。

粒子数インバランスフェルミオン気体 : 3次元系でのトラップ形状効果

(掲載予定)

2成分1次元フェルミオン気体 : 乱れのある系の基底状態とダイナミクス

(掲載予定)

フォノンと結合した相関電子系

ハバード・ホルスタイン模型の相図

超伝導の発現機構の理論としては電子フォノンあるいは電子間の一方の相互作用のみが注目されることが多いが、 現実には両相互作用が強い物質も知られている。電子フォノン、電子間相互作用の共存する典型的な模型として、 同じサイト上で相互作用する電子が、各サイト上の局在フォノンと結合したホルスタイン・ハバード(HH)模型がある。 1次元ハーフフィルドの場合は1970年代より主に解析的手法で研究されてきた。しかし、相図や、超伝導が支配的相関になるかについて結論が分かれていた。 相関関数を数値的に厳密に計算し、距離依存性から1次元ハーフフィルド系の相図を得るとともに、超伝導が支配的になる条件を探ることを目的に研究を行った。

電荷, スピン相関に加えて、超伝導に対応するペア相関の計算を密度行列繰り込み群(DMRG)により初めて行った。 次近接ホッピングの導入及び、サイトあたりの電子数の変更の効果も調べた。DMRGでフォノンを扱うためにJeckelmannらにより提案された擬サイト法を、 電子間相互作用もある系に適用するにあたり収束の困難が生じたが、2種の新たなアルゴリズムを開発し、高速かつ安定に適切な基底を選択して計算した。

ハーフフィルド1本鎖について、いずれのペア相関も電荷の相関より減衰が速く、支配的な相関とならないことを明らかにした。 先行研究との比較から、ペアの相関をも直接見なければ超伝導について誤った結論に至りうることがわかる。2種の相互作用の強さおよびフォノンのエネルギーに 関する相図を得た。さらに、次近接ホッピングやホールのドーピングでバンドの電子・正孔対称性を破ると、超伝導が支配的となりうることを明らかにした。

サイトあたりの状態数の多い系での密度行列繰り込み群の初期化法

(掲載予定)