研究内容
(Norio Kawakami)
おおまかには
量子多体論の方法を用いて物性基礎論ならびにその応用に関する理論研究を行っています。特にナノスケール量子系、超伝導、モット絶縁体、量子スピン系などの強相関電子系が示す多彩な現象をミクロな観点から解明しています。さらに最近話題となている光格子中の冷却フェルミ系の多体問題、トポロジカル量子現象、非平衡量子現象なども扱っています。
理論手法として量子物理のオーソドックスな摂動論や平均場に加えて、共形場理論、 厳密解などの場の理論的方法や、モンテカルロなどの計算物理の手法も用いています
最近の研究テーマの例
強い相関を持つ電子系
◇ 強相関電子系の量子相転移と臨界現象 ◇ 強相関電子系におけるフラストレーション効果
◇ モット金属絶縁体付近の異常量子現象 ◇ 奇妙な超伝導のミクロな理論(プロジェクト開始)
ナノスケール量子系
◇ 1次元朝永ラッティンジャー液体の臨界現象 ◇ 量子ドット系での多体効果
◇ 超伝導の近接効果と電子相関 ◇ 量子細線、カーボンナノチューブ
光格子系
◇ 1次元光格子中での冷却フェルミオンの動的性質
◇ 光格子系の多体量子効果を取り扱う理論手法の開発
量子スピン系
◇ 低次元量子スピン系の不安定性と量子相転移
◇ 2次元、3次元量子スピン系のフラストレーション効果
トポロジカル現象
◇ 強相関トポロジカル絶縁体
◇ 相互作用による分類のリダクション
非平衡量子現象
◇ フロケ理論
◇ 非エルミート量子現象
理論的方法
取り扱う問題に応じて、また個人の得意・不得意を考慮して、解析的な方法や数値的な方法を用いています。
解析計算・数値計算をともに援用する方法
◇グリーン関数局所近似・ダイアグラム法、◇変分理論、◇動的平均場理論
◇強結合摂動展開法、◇補助粒子の平均場理論 など
場の理論的方法
◇共形場の理論、◇非線形シグマ模型、◇ボゾン化法、◇繰り込み群 など
数値的に強力な方法
◇量子モンテカルロ、◇密度行列繰り込み群、◇数値対角化、◇Wilson数値繰り込み群 など
厳密な方法
◇厳密解、◇ワード恒等式 など
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Mail: norio[AT]scphys.kyoto-u.ac.jp